きょうこ、母になる物語~①

ニワトリ
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自然孵化ではじめて烏骨鶏のヒナが誕生、果たしてきょうこは母になれるのか?

我が家の烏骨鶏の飼育は人工孵化で1羽かのヒナから始まった。そのニワトリの名前は「きょうこ」(人工孵化チャレンジ3回目の末、奇跡的に産まれた生命力の強い子であったので強子と名付けられた)

烏骨鶏の就巣性について

烏骨鶏は就巣性に優れたニワトリ。就巣性とは・・・「鳥類が卵を孵化させるために巣に就こうとする性質、卵を抱いて温め、孵化したヒナを育てること」ちなみに、私達がスーパーで普段購入する卵は品種改良された(卵の生産性を高めた品種)ニワトリであり、就巣性は持たない。 

きょうこの後に、人工孵化で3羽のニワトリが雌鳥が産まれたが、卵は産むようになったものの、巣ごもり(産んだ卵を温めて巣の中にこもること)がまるでみられなかった。一方、きょうこの場合は卵を産むと巣ごもりモードに入り、一か月近く巣箱から出てこないので餌や水は飲めているのだろうかかとよく心配したものだ。面白いことに、きょうこは他のニワトリが産んだ卵までも温めようとするので、この子は絶対に子育てに向いていると感じていた私達であった。

大雨のある晩、自然孵化で初めてのヒナがうまれた

きょうこは卵を10個大切に温めていた。きょうこが産んだ卵一つ一つに日付を書いて、ヒナが産まれる日を心待ちにした。待てど暮らせど・・・予定日の日を超えても卵一つとして産まれる気配がない。自然孵化は失敗かと諦めていた。その日の午後からは大雨でどうせ今日も産まれていないだろうなんてニワトリ小屋に足を運べていなかった。次の朝、夫と息子がニワトリ小屋に向かった。息子が「お母さん、ひよこ生まれているーーーーーー!!!」と走って家に入ってきたではないか。朝食の準備で台所にいた私も飛び出して小屋に向かった。ヒナがうまれている。おそらく昨日の午後から夜中に生まれたと思わられる。しかも、巣箱の隅っこで置き去りに、瀕死状態でいる。夫が掌の中にヒナを抱いて「まだ生きている。」と。低体温だ、すぐに温めなればいのちが危ない。そうだ、人工孵化器がある!これで温めようと思いついてヒナを人工孵化器に入れた。ヒナは少しずつ動き出した、そしてピーピーと鳴く姿も見られた。なんとか一命をとりとめた。大雨の中、巣箱のすみっこで、泥水をすすってなんとか一晩明かして生き延びたこの奇跡の子に、この日のことを忘れないように「澄子すみこ」と名付けたのだ。

通常、産まれたヒナは親鳥のお腹の中に入って温めてもらい過ごす。きょうこは卵を温めることはできたが、ヒナを育てるという行為はできなかったのだ。おそらく、きょうこは人工孵化で初めて誕生した一人っ子であり、私達の手の中で大事に大事にずっと育てられた。自然界の中で模倣するニワトリもいなく、人間に育てられたため子育ての仕方がきっとわからなかったのだろう。さぁ、これから、ひな鳥の澄子をどうやって育てる・・:?どうやって、また親鳥の元へ戻す?きょうこにどうやって子育てを教えたらいいのだろうか・・・・?

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きょうこのヒヨコ時代の懐かしい写真。息子と一緒に本でも読んでいるのだろうか。

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