2023年に初めてヒグマを獲ったときのことを記事にしていなかったので記事にしようと思います。
個体情報
獲った時期は10月中旬。猟期に入っていますが、ヒグマの有害駆除の時期は11月末までなので猟期と有害駆除期が重なる時期。
この時期は堅果類を探して、活発に動き回る時期。雪は降らずに追跡は困難。流し猟で出会った個体でした。70㎏程の雌熊。初めてのヒグマへの発砲、色々な感情がありますがそれはまた別の機会にでも。
高圧洗浄+裏打ち
まずは脂の除去です。
ヒグマの皮は厚く、脂がしっかりついているため、高圧洗浄機で大まかにそぎ落とします。
この頃は、鞣し小屋も作っておらず、庭の一角でやっていました。なので至る所に脂や肉片が飛び散って、匂いもする。片付けも散らばったものはやりにくかったので、土をかけて処理していたのを思い出します。今思えば、よくこんな環境でなめしをやっていたなと思います。住宅街ではちょっと難しいとも思いますが、まぁやっている人は何人かいるのでやり方次第なのでしょうね。
高圧洗浄が終われば、裏打ちしてしっかりと不純物を取り除きます。脂を取りきらないと後で腐敗や臭いの原因になるため、ここが一番の根気どころです。3~5時間くらいかかります。人によっては1日中やってる人もいます。大変ですよね。
処理後は中性洗剤でしっかりと洗い、ぬめりを落とします。脂がすごいので、ちゃんと脱脂をしないと鞣し剤が入っていきません。
そして洗い終えたら水をよく切り、清潔な状態に整えます。


こんな感じで、綺麗にしますが、もうちょっとやったほうがいいと思いますね。この白いのって脂なんで、取れるだけ取った方が良いです。
使っているのはこのボッシュの高圧洗浄機
明礬液の調整と浸漬
明礬鞣しの基本液は、
- 明礬(ミョウバン)
- 塩
- 水
を溶かして作ります。
およそ水1Lに対して明礬25g、塩40gを目安にしました。これは人それぞれなので、足りないと思ったら明礬を足したりしています。・・・思えば、これも順次濃度をあげていけばよい様な気がしますね。明礬は焼きミョウバン、生ミョウバンありますが、生ミョウバンで良いです。理由は生ミョウバンで上手くいっているからです。
大きな皮なので、全体が十分に浸かるような容器を使います。私はこの頃はコンクリートをこねるトロ舟を使っていたと思います。ちょっと写真がありませんでした。
液に皮を入れ、時々かき混ぜながら何日か浸け込みます。
この間に明礬が繊維に入り込み、独特の白っぽい質感が出てきます。裏打ちが悪いと独特の腐敗臭みたいのがしますし、夏であればハエがたかります。なので今は密封できる容器でしています。
乾燥と柔軟処理
浸漬を終えたら、軽く水を切って木枠に固定します。レザーは板に貼るんですが、毛皮は、毛の部分がつぶれてしまうので枠を作ってやった方が良いです。
光の加減で色が変になってますが、基本的には黒一色です。

建築系のDIYでもそうなんですが、補強(火打ち)を入れなければグラグラしちゃいますので私はなんにでも補強を入れる性癖があります。
革は厚みのある部分(背中や肩)が特に硬くなりやすいので、手で折り返しながら繊維をほぐします。部分的に乾燥を遅らせたいときは霧吹きを使うと調整しやすいです。
この乾燥工程をどれだけ丁寧にやるかが、2025年の今になってわかります。、いかに手間をかけるかが出来を左右しますね。

・・・この毛皮は今見ると揉み足りないし、乾燥してから揉み作業をしているので不十分です。
加脂と仕上げ
乾燥中に加脂をします。
この時は米油のみを塗布していると思います。
毛並みも整えながら乾かすと、光沢のある落ち着いた風合いになりました。たしかリンスとかも使った気がします。いい感じにはなりますが、そもそもヒグマの毛はちょっとチリチリなので、ウサギとかキツネのような感じにはならないと思います。
完成した毛皮

仕上がったヒグマの毛皮は、光の当たり方で深い焦げ茶から黒へと変わります。
毛は太く、密度も高く、鹿革とはまったく違う存在感があります。
この個体は、首のしたに月の輪熊のような模様があります。あまり知られていないのですが、ヒグマは個体ごとに毛並みが結構違います。月の輪があったり、金毛だったり、黒一色だったり。素敵ですよね。
大きく重たい皮でしたが、工程を終えると不思議と軽く感じます。
この個体のお肉を食べ、完成した毛皮を見て、息子は何を感じたのでしょうか。
それは息子だけの思い。私は知らなくて良いし、簡単に言葉にしてほしくない。以上



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