鹿革のタンニン鞣し2024

狩猟

 日頃狩猟や有害駆除で、命の恵みをいただいているのですが今回は革の話です。どこから書いていいのか迷うのですが、ここ半年くらいは鹿の革のことばかり考えていました。そうしてようやく形となったので書こうと思ったわけです。

 色々と書いていますが、一素人がやっています。実際にやるかたは少ないと思いますが、書籍を読み、実際にやってみて失敗し、トライ&エラーを繰り返すのが重要だと思い、内容的にフワッとした書き方をしますのでご了承ください。

 本記事には鹿の毛皮等加工途中のもの画像が含まれるので観覧にはご注意ください。

工程は沢山

除肉、高圧洗浄機、除肉

 まずは、鹿から皮を剥ぐところから始めるんですがそこは割愛して、皮に残った肉や脂を取っていきます。これは人それぞれやり方があって、色々なブログで紹介しているのでそちらを参考にしてほしいのですが、大事なのは高圧洗浄機だけで終わらせないことだと思います。

 裏打ちと言って、刃のつぶした鎌や、セン刀と言ったものでこそぎ落としていくのが、必要だと思います。

 結局タンニン鞣しするには、皮以外の余分な細胞があるとそこにタンニンが結合してしまい大事な革の部分まで浸透してきません。浸透したとしても沢山のタンニン、時間が必要になってきますので非効率です。この除肉作業だけでも大変なのですが、とても重要な作業です。

 高圧洗浄機で上手くいかねーよって人もいるかもしれませんが、おそらくトルネードノズルで水圧の高いものでやれればとりあえずの除肉はできると思います。私はケルヒャーのクラシックタイプ、ブラックデッカーなどの安価なやつでやっていましたが、ほとんど除肉は来ませんた。最終的には、ケルヒャーの高圧のものを借りて、それより高い水圧のボッシュの高圧洗浄機を使っています。

 ちなみに、白鞣しと言われる姫路の鞣し方法があり、その一つに川に漬けて除毛と除肉を行うという工程があります。もちろん私もやりました。

 そしてもちろん失敗しました。1か月ちかく川に漬けていたのですが、下の画像な感じで所々しか毛は抜けず、肉も結構残っています。おそらく、水温が低すぎたせいだと思っています。北海道の11月くらいにやっていたので分解が進まなかったのでしょう。

石灰漬け

 乳石灰に漬けて脱毛します。乳石灰とは限界の濃度まで石灰を水にぶち込んで、溶けきれない石灰が底などにたまっているものを指します。これにより、濃度が下がった場合でも溶けきれなかった石灰が溶け出し、高濃度を維持します。また、水温も重要で、北海道の秋口で5度前後の気温だといつまでたっても脱毛できませんでした。なのでバケツの中に入れて家の中に入れてました。

 毛が抜ける段階に来ると、刃のつぶした鎌等で毛を取るのですが、家族がいるのでなかなか時間が取れず夜にヘッドライトを付けてやっていました。冬なので毛が凍って取れない。力を入れすぎて革が岐傷つきまくり、また失敗です。昼間の温かい時期にやりましょう。

ひたすら洗浄~脱灰、脱脂、酵解、浸酸

 中性洗剤でひたすら洗います。この工程で皮に残っている脂が抜けないと、タンニンが浸透しません。私は酵素系の洗剤を使い、酵解も兼ねてやっていました。実際は、酵素としてたんぱく質の分解成分があるのは数少なく洗剤の中にあるのかは不明ですが一応やっています。おそらく整腸剤のパンクレアチンや入歯の洗浄液とかの成分が一番近い気がします。わからん・・

 洗って、酵解した後は、クエン酸に漬けてPH調整。一応PHを測定して4くらいから始めています。私はここでも失敗して3日間くらいつけてしまい、酸膨潤してしまったことがあります。そうなると結構失敗で完成した革は分厚く、曲げると割れてしまい、構造的には千切れるように膨らんでいるためよくありせん。注意。

タンニン漬け

 やっとタンニン漬けに入りますが、ここからは比較的楽です。徐々にタンニン濃度の低いものから、高くしていきます。なぜ低いものからやるのか、PHの調整をするのかはブログでは書きれなく書籍が一番詳しく説明しているので割愛します。

 ちなみに、外国のホームタンナーで有名なスキルカルトという方は濃度高めで、自分の感性を信じろと言っています。

 これは1か月半くらいたったネックの部分ですが、タンニンが浸透していますね。ただ、酸膨潤もしているし毛処理も甘い。脱毛の工程で適当にやって、後から抜けるだろーと思ったら大間違いでした。最後のレザークラフトの段階までこの毛は残っていました。

脱水、再裏打ち、乾燥、加脂、味とり

 子供にも手伝ってもらって、脱水がてら裏打ちをしていきます。

 板に打ち付けて、乾燥させてー、加脂をしていきー

 この上の皮は3枚目に作ったやつで、冬にやったので裏打ちの段階で凍り、無理してやって皮に傷が入りまくっています。勉強になりましたね!!

 最終工程のシボという模様のようなものを付けています。長男がいろいろと手伝ってくれました。

レザークラフトして、完成!!

 上の小物は、前述の工程を経た鹿革たちをレザークラフトしてできたものです。

 私は鞣しが終われば、自然と革小物作れるなーなんて安易に考えていいたんですが、皮鞣しとレザークラフトはまったくの違う世界で、皮が鞣されてもいいものができるかはまた別の話。

 皮をなめせる様になるまで3年かかったのに、レザークラフトするのにもまた時間がかかりました。まだまだ、納得のいくものはできてませんが、手伝ってくれた長男にはコインケースと、いつもお世話になっているパートナーにはキーケースとキーホルダーを作ることができました。上の画像の中に入っています。

次の目標

 次は、地元の物だけを使ったタンニン剤や、排水、残渣の処理をうまい事循環させていこうと思っています。やっぱりタンナーさんが気を使っている排水を、そのまま生活排水として流すのは違うと思うのでなんとかしていきたいです。

 2024年は5枚くらい鞣せればいいな!!以上!

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