今取り組んでいるものの一つに皮鞣しがあります。実は三年前から取り組んではいたんですが、なかなか難しくて形になりませんでした。今年は自分なりに勉強して、目指すものの6割くらい成功したと思っているのでご紹介します。素人がやっているもので、本業の方や関係者の方から見ると恥ずかしいものですが。。
皮鞣しとは
鞣されていないものを「皮」(かわ)といい、鞣しが行われたものを「革」(かく)という。毛皮のように鞣しが行われていても、「皮」を使う場合もある。鞣しの定義として、次の 3つの要素が挙げられている。
1) 耐熱性の付与
2) 耐酵素性、耐薬品性の付与
3) 革らしさの付与
皮のなめし | 皮革の知識 | 日本皮革技術協会 (jalt-npo.jp)より引用
要するに、動物から獲った皮はそのままにすると腐るので、加工して各種耐性を付与していくことです。
工程
皮鞣しの工程はなめし方によって様々で、結局はどういう皮を作りたいかによると私は考えています。素人の私はとりあえず基本というか、柔軟性のあるふわふわした毛皮を目指して作りました。レザークラフトに使うような革の鞣しは並行してやっていますが、また別の機会に。
毛皮鞣しをしている方はそこそこいて、各々ブログやユーチューブに挙げています。ほとんどが明礬鞣しというもので、明礬のアルミニウムによる反応の鞣しをしています。
明礬鞣しは、
原皮の塩漬けまたは凍結→裏漉き→脱脂→鞣し剤付与→乾燥→加油+ストレッチの工程で皆さんやられています。私もほとんど同じでやっていたのですが、最近は酵解、裏漉き工程の増加、加油剤のエマルジョン化を加えています。
それと今回の記事ではコンビネーション鞣しという、異なる鞣しをしたものを記事とします。
コンビネーション鞣しとは
コンビネーション鞣し、またはベビーレタン鞣し。異なる鞣しを皮に施して、様々な耐性を付与することを指します。ここで大事なのは、異なる鞣しがどのように皮に作用しているかを理解していることだと思います。明礬鞣しは、アミノ酸側鎖のカルボキシル基と、タンニン鞣しはアミノ酸主鎖のアミノ基に。というように。私はこのような有機化学を理解するまでに時間がかかりました。
まぁこのように書いてはいますが、素人が勉強して理解しているつもりでも、実際は違うことも多々あると思います。また、だれでも読めるようなブログでいい加減なものを書いて、誤解招く様なこともしたくありません。本業の方々に失礼かとも思いますので自分の解釈や、工程等はそこそこにいたします。
ご意見等あればコメントください。
結果はどうなったのか
とりあえず、今回仕上がったものはこれです。
↓毛皮面
↓床面
柔らかさは、置いたらクシャっとなる感じ
今回は明礬鞣しとタンニン鞣しのコンビネーション鞣しです。
反省点は、1 タンニンの浸透具合が低い箇所もある、2 毛の抜けも思ったより多いことです。
北海道で皮鞣しをすると、障害となるのは気温だと思います。屋外で作業をするので、気温が低く、各工程が長期化してしまいます。その結果、腐敗の可能性が高くなっている気がします。春になったら、猟期に貯めた皮をまた鞣して反省点からより良い毛皮、革を作っていきたいと思います。次の鞣しはいろいろと試したいことがあって楽しみです。待ち遠しい。
下の画像はヒグマの毛皮との比較。ヒグマは明礬鞣しです。モザイクを入れているのは、私物のものです。
野生動物を狩って、加工品を作るという記事はどうしても批判的な意見等があるかと思いますが、それぞれの思想を尊重していただければと思います。
また良いものができたらその時にでも。
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