northernstyleスロウ vol.85(10月号)~ 我が家の日々の暮らしが掲載~

「スロウの雑誌」とは北海道で暮らす人、モノを深堀したとても魅力的な雑誌。背伸びしても載れない憧れの雑誌。この雑誌に載るなんて無縁と思っていたが、素敵なお誘いが舞い込んだのだ。
ある人から、「10月のテーマがジビエ、暮らしの中でジビエが身近にある家族を探している。」と声がかかった。ただただ、好きで自然あふれるこの土地で今の暮らしを築き、家族5人+ニワトリと穏やかに暮らしている。野菜や果樹を育て、狩猟を行い趣味として皮鞣しからレザークラフトを行うようにもなった。そんな日々の暮らしがクローズアップされたことはとても嬉しかった。
ここ最近、夫の影響から3児の母である私も狩猟の免許を取得、気づけば夫婦でハンターとなった。7歳の息子は小学1年生に、入学のお祝いにお父さん手作りの鹿革の渋い長財布をプレゼンとしてもらった。その日お父さんに初めて猟にも連れて行ってもらった。今では息子は猟に時々同行し、鹿の解体のお手伝いもするようになった。日々の食卓に当たり前のように鹿肉料理が並び、鹿の皮は革となりレザークラフトとして様々な作品として生まれ変わる。我が家の暮らしにとってジビエは暮らしの一部であり、豊かさ、楽しさをもたらしてくれる存在だ。
ジビエと関わる人は沢山いる、その関わり方や考え方、向き合い方は様々。狩猟に関して夫はいつも言っている。答えはないしわからない、狩猟をするにあたって動物の命を絶つことには変わらない。食卓に並ぶ鹿肉に対して「ありがとう」って言っても鹿は嬉しくないよって。感謝して頂いているのだが、鹿は命を奪われているのだから、その言葉はほんとに求めているのだろうかって。確かに、「ありがとう」って人間の自己満足にすぎないのかも。
夫は、答えを見つけるために皮を自ら鞣し革として加工し、それをレザークラフトとして作品として生みだすことにしたんだと思う。
皮鞣しに関しては情報が本当に少ない。参考書などない、師匠がいるわけでもない。独学で乗り越えるしかない世界であった。実験→失敗の繰り返しの日々。私は助産師でフルで働き、夫は現場系の仕事、共働きで3人子育ても一緒にしているため時間が本当にないのが現実。睡眠を削って限られた時間の中、果てしない工程と作業に追われている。心が何度も折れそうになっているのだが、その実験の手を止めることはない。皮鞣しの実験過程は努力の結晶。実験は果てしなく続きゴールはない。彼にとってこれが完成という言葉はないから。あまりにも大変そうで、何度かその道の達人はいないのか、誰かに教えてもらったら?と聞いたことがあったが、はっきりそれでは意味がないと言うのだ。答えをすぐ知りたがらないというか、その答えを探す過程を彼はきっと楽しんでいる。皮鞣しに対する姿勢と情熱は職人レベルだ。そんな彼の行っていることがスロウの雑誌を通して、世の人に伝わるということは妻として誇らしいです。おめでとう!!!
YMAKAWA~山革として初出店する

10月11日動物に関する上映会が開催された。そのマルシェの中で出店することになった。自分の趣味として行っていた事が、作品として誰かに手に取ってもらう機会をもらうなんてと喜んでいた。一方、一人で皮鞣しからレザークラフトまで行うため時間も労力も使う大作業だ。なんとか今までの作品と新作を用意出店。大きな熊革と鹿革一枚もの、財布やキーケース、鹿革のフラワーアート、鹿角といった作品を並べて。一番最初に売れたのは小物入れ(出来上がった時に、こりゃ、どんぐり入れだねと笑った作品!)
夫の作品の一番伝えたいところは、自分で獲った鹿皮を工場に出さずに自然由来の鞣し剤や染料(自宅の周辺の森で自生してるものや自分で育てた植物の藍・・)で鞣しを行い、革に仕上げるということ。皮鞣しででた汚染された排水にも気を配り、ビオトープを作り環境に配慮していること。作品のフォルムだけではなく、この一つの作品が出来上がるまでに果てしない過程や美学が込められていて、そんなところがお客さんに伝わったらいいなと思っているのが難しいだろう。1個でも売れたらいいねなんて言っていたが、ありがたいことに購入やオーダーが入ったようだ。作品を作る技術はまだまだな夫だが、皮鞣しに関しては、日本一の革鞣し博士??と呼んでもいいだろう。笑




取材をしてくれて、素敵な記事や写真を載せてくれたスロウ編集長さんには感謝でいっぱいだ。我が家の大切にしている信念や思いがそのまま伝わって本当に嬉しい。このスロウ雑誌は我が家の家宝としよう!!子供達が大きくなった時に見せてあげたい、そんな素敵な雑誌だ。



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